今週の為替相場考察(09.12)

毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。

FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。

僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。

 

PICK UP WEEK(2021.9.6 ~ 2021.9.10)

 

 

目次

 

 

ドル/円

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今週は調整局面に入っていました。

9/3に発表された米雇用統計では非農業部門雇用者数の増加ペースが予想を下回る結果となり、テーパリング期待が後退してのドル売りをもたらしました。

今週に入ると今度はドル売り収束後の決済およびリスク警戒から10年債利回りの上昇に影響されたドル買いに転じました。この流れとともに9/7日から米国株安も進行し、110.30円まで上昇しました。

9/8になるとドル買いも一服しました。調整色の強い動きでリスク警戒が薄まってドル売り、円買いが進行しました。10年債利回りの低下や米当局者の慎重な政策姿勢からも109.90円付近を行き来する展開が継続し、今週を終えています。

 

 

 

 

 

ユーロ/ドル

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こちらも調整色の強い値動きになっています。

まずユーロは8/20からユーロ高を継続していた状況から決済売りの展開に転じてきました。PEPPのフォワドガイダンス変更報道から早期テーパリング着手への期待感によりユーロの上昇をもたらしていました。

しかしここにきて米国市場の調整段階やECB理事会を控えた警戒感で調整傾向が高まりユーロ売りへ転じました。

9/9にECB理事会が開催されました。PEPPに関する債券購入ペースの減速が表明されましたが、ラガルド総裁からはあくまでも微調整でありテーパリングではないとの点が強調され、金融緩和継続姿勢は変わらないとの総括となりました。これによりはっきりとした方向感は掴めず、週末にかけて目立った材料がない相場となりこのまま越週となっています。

 

 

 

 

ユーロ/円

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ユーロ/円もユーロ売りに押された下落になっています。

2週間強継続したユーロ高が一服し、9/8からECB理事会を控えたポジション調整のユーロ売りが進行しました。ユーロ圏ではPEPP購入の縮小が期待されていますが、新型コロナウイルスの勢いが尚も続く中、市場はECB理事会まで懐疑的な姿勢を持っていたと思われます。

結果的に9/9理事会が開催されると、ラガルド総裁からはあくまでも微調整でありテーパリングではないとの点が強調され、金融緩和継続姿勢は変わらないと総括されたことでリスク回避的なユーロ売りの反応は出たものの、週末にかけては持ちなおし、130円付近での着地になっています。

 

 

 

 

まとめ

今週はドル、円、ユーロいずれも調整色の強い1週間になりました。

ドルは目立った材料がなく、テーパリング期待後退から方向感を失い、さらに株安を催すなど値動きが鈍化しています。今後は9/21~9/22のFOMCに焦点が集まります。

円は自民党総裁選に注目です。支持率低下となった菅政権から新リーダー誕生への期待で日経平均株価の上昇を引き起こしている状況です。9/29投開票となる日までは株主導による円の値動きが予想されます。

最後にユーロはECB理事会での公表が全てです。米同様テーパリング期待が後退した後のポジション調整も収束し、方向感が掴めない状態です。9/15に予定されているユーロ圏7月鉱工業生産や、9/16のEU新車登録台数に注目が集まりますが、FOMCが全体市場の注目を集めると予想し、大きな変化は起こりにくいと想定しています。