今週の為替市場(03.12)

毎週土日に一週間を振り返り、為替市場を考察しています。

 

このブログは僕がFXトレードを行うために収集した知識です。

 

いつ、どのような出来事で市場が変化していったのか、記録をつけて振り返っています。

 

FXは世界規模のマクロ経済を把握することが必要です。

逆に言えば、FXを勉強することで世界の経済状況や株式市場も把握できるようになります。

 

株式投資、FXなど代表的な金融商品取引の参考になればと思います。

 

 

PICK UP WEEK(2022.3.07 ~ 2022.3.11

 

目次

 

 

ドル

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ウクライナ情勢により神経質な相場が続いています。

週明けには米政府がロシア産原油の禁輸を検討との報道が流れ、一段とドル買いが進行しました。しかしながら、3/8にはウクライナに人道回廊が設置され、ウクライナのゼレンスキー大統領が「ロシアが侵略した理由の1つであるNATO加盟を、ウクライナはもはや主張していない」と述べたとの報道もあり、一時リスク回避の動きが一服しました。

米株式市場も大きく反発し、3/10にかけてはドル売りになっています。

それでも週末にかけては再度ドル買い相場になっています。これは、3/10にトルコ外相の仲介でロシア外相とウクライナ外相との3者会談が行われ、その中でロシアは要求が認められるまで攻撃を継続すると通告したことが引き金になっています。さらに3/10には2月米消費者物価指数が前年比+7.9%に上昇したことが発表。週末にかけてドル買いが継続しました。

↑上向き①ロシアのウクライナ軍事進攻による有事のリスク回避

↑上向きFRBによる利上げ政策予測

 

 

 

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円は売りの相場になりました。

ロシアによる軍事進攻の勢いが加速したことで、有事の円買いから完全にドル買いへ移行してきました。

また、日本経済は欧米諸国と比較して不景気と言わざるを得ません。そのような中、3/8に黒田日銀総裁が「原油穀物の価格が上昇しても、予想物価上昇率や賃金の伸びは低位にとどまっている。景気に悪影響を及ぼす金融緩和の縮小や金融引き締めは適当でない」と発言したことで、有事でも円が売られる相場に至ったものと思われます。

そして3/10にロシア外相による「要求が認められるまで攻撃を継続する」との通告や米消費者物価指数の上昇によりさらなるドル買いが促進され、相対的に円売りが大きくなりました。週末にかけて大きく下落しています。

↓下向き①有事のドル買い・円売り

↓下向き②米国市場早期利上げによるドル買い・円売り

↓下向き③日銀による低金利政策継続

 

 

 

 

 

ユーロ

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ウクライナ情勢によるロシアとEUの関係悪化を懸念してユーロ売りがトレンドではあるものの、今週は振幅がありました。

3/8にウクライナに人道回廊が設置されたこと、ゼレンスキー大統領がNATO加盟の断念を表明したことで、戦争収束が予感され、市場は好感に捉えました。

また、今週にもエネルギーや防衛関連の支出に充てるための債券の共同発行を計画しており、今週フランスで開催されるEU首脳会議の終了後に計画が示される見通しと報じられ、ユーロの買い戻しを誘いました。

それでも3/10にトルコ外相の仲介でロシア外相とウクライナ外相との3者会談が行われた中で、ロシアによる「要求が認められるまで攻撃を継続する」との通告により再度ユーロ売りが再熱。その後のECB理事会の発言でも予想外にタカ派なものがあり、早期利上げを予感させましたが、影響は薄く、ユーロ売りの継続となりました。

↓下向き①ロシアとの関係悪化

↓下向き②エネルギー価格高騰に伴う欧州経済への下押し