今週の為替相場考察(05.30)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.5.24 ~ 2021.5.28)
目次
ドル/円
今週前半は様子見ムードが広がりました。
先週までの米国テーパリング議論や暗号資産の急落にあって、見通しのつかない為替市場はボラティリティの低い局面にあると言えます。
10年債利回り低下によってドル売りが予感されましたが、世界的に見れば単独状態にある米ドルへの期待でリスク選好の下支えや実需のドル買いによって揉みあいを呈しています。
しかし、5/26NY時間に入ると、テクニカル的な108.80円付近でのサポートや月末のロンドンフィキシングを意識したドル買いによって上昇し始めました。
さらに米新規失業保険申請件数が予想よりも少なかったことや、GDP改定値で個人消費が上方修正されたことなどの経済指標改善や10年債利回りの上昇が後押しして110円まで到達しています。
目立った反発材料もなく、週末まで続くトレンドになりました。
ユーロ/ドル
ユーロ/ドルはドルのボラティリティ低下とユーロ圏のワクチン普及による経済回復期待によって前半から上昇していきました。
ユーロ圏ではワクチン接種を完了した旅行者の入国を正式に承認することやECBの早期テーパリングの議論も出始めており、欧州経済の回復期待感が高まってきていました。
しかし、5/26にパネッタECB理事から資産買い入れペースを落とすべきではない、持続的なインフレが確認されたあとにPEPP購入ペース減速を行うなどの発言が報道され、ユーロ売りが見られました。
またロンドンフィキシングを意識したドル買いが行われ、一転反落しています。
その後は米国での経済指標改善や10年債利回りの上昇によってドル買いが優勢となり、下落傾向になっています。しかし、テクニカル的な1.218付近のサポートもあり、そのまま揉みあいを保ったまま1週間を終えることになりました。
ユーロ/円
ユーロ/円はユーロの根強い上昇に後押しされています。
ユーロ圏でのワクチン普及による経済回復期待によって前半から上昇しています。
前述のとおりユーロ圏ではすでにテーパリング観測も出るなど、ECBのPEPP購入減速に注目があがっています。しかし、5/26にパネッタECB理事のインフレサインが出るまでは時期尚早と思われる発言があり、高止まりします。
しかし米国ではドル買いが開始され、リスク選好の動きから円売りが進みました。
ユーロは高値での停滞が続いたことで5/27~5/28には134円まで続伸する結果になりました。
まとめ
今週はユーロの上昇とロンドンフィキシングに伴うドル買いおよびこれら2つの主要通貨ペアである円の売りが値動きのポイントでした。
ユーロは5/26にパネッタECB理事による緩和継続姿勢が出ても、落ち込むことはなく、高値止まりを見せ、今後もユーロ高を意識させています。
ドルはテーパリング議論が白熱し、市場全体が注目するポイントに差し掛かっています。ゆえにトレンドが定まらず、大きな動きはないですが、どちらかと言えばテーパリングを意識したドル買い傾向に思われます。
最後に円は両者に後れをとる形で円売りが加速しました。
ワクチン接種がようやく開始する段階で目標インフレ到達も見通しが立っていない状態です。
今後はユーロ高を意識しつつも、米国テーパリングに注目していく方が良さそうです。