今週の為替相場考察(09.05)

毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。

FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。

僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。

 

PICK UP WEEK(2021.8.30 ~ 2021.9.03)

 

 

目次

 

 

 

ドル/円

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今週のドル/円は4時間足の200日平均線をサポートに下げ渋ると、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の量的緩和金利は別物として考えるとの見解を発端に米国株高・ドル売りの傾向が出ていました。それでも今週末9/3の雇用統計を控えて値動きは限定的でスタートしましたが、8/31は月末のロンドンフィキシングによる調整が入りドル買いが一気に進行しました。

しかし、9/1にADP雇用統計が公表されると予想を大きく下回る雇用増にとどまっていることが分かり、一転ドル売りが加速しました。雇用統計を待つ姿勢が市場に見られ、この時点では110円付近で留まっています。

9/3米雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数(NFP)が事前予想の前月比73.3万人増に対して、前月比23.5万人増にとどまったことを受けて、ドル売りが強まる展開となりました。失業率の低下や平均時給の予想外の上昇もありましたが、結果として先行き不透明感を与えた印象だと市場は認識し、109.60円まで下落しています。

なお、日本では菅首相自民党総裁選への不出馬を発表しましたが、雇用統計の前で市場の反応は限定的となりました。

 

 

 

ユーロ/ドル

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こちらは両者通貨対照的な状況によって大きく上昇しています。

ドルは前述のとおり量的緩和導入を前にパウエル議長の慎重姿勢や先週までの経済指標のf鈍化によってドル売り傾向を生じています。

対してユーロは金融緩和長期化を表明しながらもEU要人によるタカ派発言からPEPPの購入ペースダウンがユーロ高を推し進めています。

8/31には月末ロンドンフィキシングによるドル買いが見られましたが、1.180をサポートに上昇に転じています。またユーロ8月CPIが発表され、予想を上回る増加(結果3.0%、予想2.7%)からも上昇圧を感じます。

さらに米雇用統計がネガティブサプライズとなりさらなるドル売り・ユーロ高を促進させています。

 

 

 

ユーロ/円

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ユーロ/円はユーロ高の促進によって上昇傾向にあります。

ユーロは前述のとおり経済指標の好結果や要人発言からも量的緩和早期着手に期待感が高まっています。

8/31に月末調整のドル買いがあったことで一時円売りがありましたが、これもすぐに落ち着いています。円は米国の経済成長鈍化に伴い、ドル売りに対するリスク回避の円買いが現状です。

9/3には米雇用統計によりドル売りが進行するとユーロ買い、円買いが進みました。ここではユーロ買いが今週続いていきた影響や週末の決済も及んでか、円買いが優勢となり最終的には値を下げて130.30円付近で終えています。菅首相の不出馬表明の中でも影響は少なくなっています。

 

 

 

まとめ

今週は米雇用統計を控えながらも今後を左右するニュースが出た週でした。

まずは米国の経済状況です。量的緩和が期待される中でADP雇用統計、労働省の雇用統計ともに予想を下回っています。ジャクソンホール時点では9月での量的緩和決定予想が報道される中でネガティブサプライズとなりドル売りが進行し方向感が読めない状態です。

次にEUです。こちらは金融緩和長期化を大前提に経済指標の前進と要人のタカ派発言によってユーロ買いが進んでいます。

最後に日本ですが、ドルとの表裏一体の状態です。ドルが買われれば円は売られ、ドルが売られれば円が買われる現状です。菅首相の不出馬が表明されていますが、9/3時点で影響は読めません。

今後は株高推移が継続する米ドル売り、量的緩和早期化期待のユーロ高、ドルと表裏一体の円で目線を捉えたいところです。