今週の為替相場考察(06.05)

毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。

FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。

僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。

 

PICK UP WEEK(2021.5.31 ~ 2021.6.04)

 

 

目次

 

 

 

ドル/円

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週明けは月末のロンドンフィキシング調整や米10年債利回り低下によるドル売りからスタートしました。しかし109.50円をサポートに6/2までは揉みあいが続きました。

これには週末に米国雇用統計を控えた様子見と、テーパリングを予見したリスク警戒によるものと考えられます。

6/3になるとバイデン米大統領がインフラ整備法案で1兆ドルの追加予算を望んでいるとの一部報道、NY時間に米ADP雇用統計、米新規失業保険申請件数、米ISM非製造業景気指数が発表されました。

これらによりいずれも雇用回復を示す内容となったことで、ドル買いを引き起こしています。

110.20まで上昇しましたが、翌日に雇用統計を控えていたことで高止まりを見せています。

6/4に入って雇用統計の発表を受けると、非農業部門雇用者数(NFP)は55.9万人増と前回の低い数字からは回復を見せたものの予想は下回る結果となりました。

これによりテーパリング期待が後退し、ドル売りをもたらすことになっています。

 

 

 

 

ユーロ/ドル

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6/1までは上昇局面になりました。

月末のロンドンフィキシング調整や米10年債利回り低下によるドル売りになる中で、ドイツ雇用統計や一連の欧州製造業PMIが好調に推移したことでユーロ/ドルの上昇をもたらいしています。

しかし6/2以降はドル買いが優勢です。

今週末に控えた雇用統計を意識した米早期テーパリング観測の高まりによるポジション調整から下落傾向に移りました。

さらに6/3には米ADP雇用統計、米新規失業保険申請件数、米ISM非製造業景気指数が発表され、全体的には予想を上回って雇用回復を予感させるものとなりました。

しかし6/4NY時間になって市場が注目する米国雇用統計が発表されると、予想を下回る結果が示され、テーパリング観測後退を意味する失望のドル売りをもたらしました。

主要通貨ペアであるユーロは買われ、ユーロ/ドルの一転上昇となっています。

 

 

 

 

ユーロ/円

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ユーロ/円は動きの少ない通貨ペアになっています。

今週の注目は米国の雇用指標の改善度であり、週末に控えた雇用統計はこのメイントピックスと捉えられます。

特にこの週はドル主導の相場感が強く、結果的にユーロや円関連の影響は少なかったように思います。

週前半から6/3までは揉みあいが継続しました。

6/3になって米ADP雇用統計、米新規失業保険申請件数、米ISM非製造業景気指数が発表されると、雇用状況の改善を示唆されるとドル買いが行われ、ユーロが売られました。

同日発表の4月ユーロ圏小売売上高が予想を下回り、ドイツ建設業PMIが前回から水準を下げたことでユーロ売りが起きています。

しかし6/4に雇用統計が予想を下回る結果となると、失望のドル売りが行われました。リスク警戒流れから円買いとなり、最終的にはユーロ/円の下落となっています。

 

 

 

 

まとめ

今週は米国の雇用状況の回復が焦点になっていました。

週末の雇用統計を控えて値動きは抑え気味で推移しています。

市場の期待はテーパリングが開始されるのに十分な雇用状態の回復でした。

FRBの2大使命である雇用の最大化がネックで時期の推定が困難なものとなっていました。

しかし結果は予想を下回る結果であったため、失望のドル売りをもたらしました。

現状はFRBの政策姿勢がどのように進められるかが焦点になります。物価上昇は先行し、目標2%は超えている状況です。雇用の最大化を待って量的緩和を減少させるのか、すでに十分と見計らい、早期テーパリングに着手するのか動向に注目したいです。