今週の為替相場考察(05.15)

毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。

FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。

僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。

 

PICK UP WEEK(2021.5.10 ~ 2021.5.14)

 

目次

 

 

ドル/円

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今週は米4月雇用統計とCPIの結果によって為替レートが振幅する1週間になりました。

まず先週末の雇用統計の結果を受けて、相場はテーパリングが時期尚早、FRBの目標である雇用の最大化の進展に足踏みしているとの認識が広がり、ドル売りが行われました。

週頭には調整の買いが入るも、5/11に戻り売りが行われています。

ただし、これまでのバイデン大統領による大規模財政支出も考えもあってか、長期金利はかたや上昇しており、下落も一過性に止まっています。

そして5/12には注目の米4月CPIが発表されると、予想を上回る強い数字になったことで急激なインフレ上昇を想定した長期金利上昇が行われました。

これによりドル買いが進行しています。

結果的に直近の高値である109.60円まで上昇しました。

その後はインフレ上昇でテーパリングが早まるとの見方とインフレは一時的なものとしてFRBの緩和姿勢は継続するとの見方で2極化した局面になり、揉みあいのまま1週間を終えることになりました。

 

 

 

ユーロ/ドル

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今週は振幅の大きい為替レートになりました。

週初めは前述の米4月雇用統計を受けたドル買いの調整からスタートしています。

5/11にはECBからPEPPが終了した後も緩和姿勢は継続するとの発言、EUでのワクチン普及が進展している状況から高値での推移が続いていました。

しかし5/12に米4月CPIが発表されると、予想以上の数値に急激なインフレを感じさせたことで一気にドル買いが進行しました。これにより1.2050まで下落しています。

その後は前述のとおりテーパリングか否かの2極化した局面となり、調整のドル売り、ユーロ買いで上昇して終えています。

 

 

 

 

ユーロ/円

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ユーロ/円はドルの影響を受けた上昇と言えます。

ユーロと円はドルに対する動きになればほとんど同じ動きをします。

今週もその傾向が出ており、米雇用統計で予想を下回ったことからドル売りとなり、有力な通貨ペアであるユーロと円が買われていました。

そこから5/12に米CPIが発表され、好結果だったことを受けてドル買いになると両通貨ともに売られています。

しかしこのような状況下でも今週はどちらかと言えばユーロ/円は上昇傾向になっています。

その理由は、EUのワクチン普及の進展によるものと想定されます。

ECBからも見通しは明るいとの発言や、PEPPを終えても緩和姿勢を継続するとの経済回復に向けて先を見た前向きな捉え方が伺えます。

さらには通貨の取引量ではユーロはドルに次ぐ第2位の通貨で、円は第3位となるため、ドルに影響した動きはユーロの方が強く出た形になっています。

こういった理由から1週間を通じたユーロ/円の上昇となっています。

 

 

まとめ

今週は米国の今後の経済見通しを議論する相場展開になりました。

FRBの2大債務は雇用の最大化と物価安定であると前年ジャクソンホールにてパウエル議長が述べています。先週の雇用統計においては予想以下の数値、今週の物価指数(CPI)では予想を上回る数値となり、金融緩和の出口戦略をどの段階で行うかが焦点になってきています。

ここで私個人の考えでは当分金融緩和は継続されると見ています。

理由は2つです。

まず1つの理由としてFRBは以前よりテーパリングは時期尚早だとずっと提言し続けているからです。

米国では政府の判断以上にFRBの金融政策が経済を左右しています。バイデン大統領の発言以上にFRBの判断には相場は従うべきだと考えているからです。

2つ目は雇用の改善には時間がかかるからです。

今回のコロナショックはロックダウンを伴う経済の停滞が大きな問題でした。

現在ではテレワークによる働き方など雇用条件が大きく変わってきていると思います。以前のようなサービス業や製造業といった業種に雇用者を増やす必要がなくなっており、異なる産業に雇用がシフトしていることが伺えます。

労働市場の構造自体が変革しなければならず、雇用状況の回復に時間がかかるのは当たり前だと思うからです。

 

以上のように米国では経済状態の変換期に差し掛かってきており、先を見通して動く為替、株式相場では今トレンドを掴みづらい状態にあると思っています。