今週の為替相場考察(05.02)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.4.26 ~ 2021.4.30)
目次
ドル/円
今週は1週間を通じて上昇しました。
要因は
①日銀による大規模金融緩和の長期化が予測されたこと
②米国の経済状況が現時点では順調な成長基調であること
の大きく2つに市場が反応したためです。
まず4/27に円安になりました。日銀が発表した物価見通しによれば2023年度初めの黒田総裁の任期満了までに2%目標に届かないことが発表され、金融緩和の終わる見通しが立たないことを市場は認識し、円安を引き起こしました。
その間、米国では4/27-28に開催されたFOMC会合の結果待ちでドルの動きは限定的でした。これによりドル/円の上昇となっています。
そして4/27-28に開催されたFOMC会合の結果が4/28に公表されました。
声明では「インフレの一時的上昇は利上げを正当化しない。まだ資産購入ペース縮小について協議する時期ではない」と金融緩和の継続と政策に対して慎重姿勢を見せたことで、リスクオンのドル売りをもたらしました。
その後は一転ドル/円は上昇傾向に入ります。
円安トレンドは継続ながらも、米国債利回り上昇と株式市場の決算発表時期も相まって、ドルの買い戻しが出てきたと思われます。
さらに4/30には月末のロンドンフィキシングによって堅調な米国経済を想定した大口のドル買いが入り、さらなる上昇を生んで1週間を終えています。
ユーロ/ドル
こちらは前半に目立った動きはなく、4/28の米FOMC会合結果待ち状態が続きました。
4/29未明に市場のリスクオン姿勢によるドル売りで上昇したことから今週のスタートとなりました。
前述の通りすぐにドル売りは収まります。
ユーロの2月以来となる高値止まりや米国債利回り上昇と株式市場の決算発表時期により上値を抑制されています。
そして週末には月末のロンドンフィキシングによってドル買いが活発に行われ、大きく下落して越週しています。
ユーロ/円
ユーロ/円は円安トレンドによって大きく上昇しています。
前述のとおり4/27日銀が物価見通しによれば、2023年度の黒田総裁の任期満了までに2%目標に届かない発表を受けて、円安が進行しました。金融緩和の長期化が現実的な状況が正式にわかる形になり、円安は当面のトレンドになると予想されます。
また、4/28FOMCの結果からも米国が堅調に成長していくと市場がリスクオン姿勢を取ってきていることからも円は売られやすい状況にあると言えます。
対照的にユーロは目立った発表もなく、月末調整もあってか、値動きは限定的でした。
まとめ
今週はFOMCおよび月末のリバランスによる調整の値動きとなっていました。
米国経済が強いのは言わずもがなで、FOMCによる声明で金融緩和の継続が改めて主張されたことで、リスクオンに突入したと想定されます。
そして現在は米長期債利回りの上昇と株式市場の上昇が相まった状況であり、EUや日本、ほかの先進国から突き放した成長性が示されています。
しかしEUもワクチン接種が進展すれば、経済回復は順調に推移するでしょうから、好転するタイミングは掴みたいところです。そうなれば金融緩和が長期化し、成長の見通しが立たない日本円は売られる可能性は高いと思われます。
自国ですから日本の経済成長にも期待したいですが、期待をかけずらいのが歯がゆいところです。