今週の為替相場考察(01.10)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.1.4 ~ 2021.1.8)
目次
ドル/円
今週は年明け第1週目ということもあり、米国ではトランプ大統領からバイデン新大統領へ移行することが正式に表明され、新政権への期待感が表れた1週間でした。
上院決選投票が行われ、今まではトランプ大統領の共和党が多数を占めていましたが、この選挙でバイデン新大統領の民主党が過半数を超えたことで、大統領、上院、下院が民主党のトリプルブルーとなりました。その結果、バイデン氏の積極的な景気対策が現実見を帯びてきておいり、市場が反応したものと思われます。
ドル/円では、
- 週前半に株高・長期的金融緩和によるドル安
- 日本で緊急事態宣言発令による円高
以上により下落しました。
しかし、6日になるとトリプルブルーが予測され、バイデン氏の公約である大規模財政支出を想定した金利上昇(10年債金利1%超え)が起きました。
前半から一転してドル買いとなり、リスク回避で買われていた円もドル買いへ円投型投資に移行され円売りとなりました。
キリ番の104円まで上昇すると週末の決済売りが入り、戻り売りとなりましたが、傾向としては上昇傾向を維持していると考えられます。
ユーロ/ドル
ユーロドルは週前半に株高・長期的金融緩和によるドル安の傾向が先週に引き続き残ります。そこにドイツの小売売上高11月が5日に発表され、好結果を示すとユーロ買いとなりました。
しかし、前述の米国でバイデン新大統領が正式決定、およびトリプルブルーとなると財政支出を予感させた金利上昇を受けて、ドル買いとなります。
ここにはユーロ圏11月小売売上高が冴えない結果だったこと、欧州中央銀行がユーロ高をけん制していることも影響してユーロ売りも誘発しました。
週終わりにかけても米国の金利上昇の影響が大きく、来週も下落リスクが予想されます。
ユーロ/円
ユーロ/円は前半、ユーロ/ドル上昇を受けたユーロ買いと日本の緊急事態宣言によるリスク警戒の円買いで上昇しました。
米国の財政支出予測による金利上昇を受けての動きは、円投型投資による円売りドル買いとなり、直後は依然上昇となりました。これが一服すると、127円高値更新で一度決済売りが入ったところで1週間を終えています。
ユーロ/円はどちらもドル買いに対して売られる通貨であり、現時点では方向感が掴みづらい状況だと言えそうです。
まとめ
今週は米国でトリプルブルー成立がメイントピックスとなりました。
バイデン新大統領の民主党は大規模な財政支出を掲げており、市場では金利上昇が見込まれていました。ここ数か月間、株高・ドル安のトレンドが継続していた中、ドル買いの意味が作られ、今後の方向性が見極めづらくなってきています。
また、日本でも新型コロナウイルスの拡大が大きく、緊急事態宣言が発令されました。日本でも金融政策が施されるのか注目されます。
新型コロナウイルスの感染は未だ留まりません。実体経済は循環しない中、株式市場は活発に数字を伸ばしています。株高による通貨売り、財政支出による金利上昇の2つの観点から方向性を見定める必要があるでしょう。