今週の為替相場考察(02.20)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.2.15 ~ 2021.2.19)
目次
ドル/円
前半はドル高、円安で上昇しました。
背景は以下のとおり。
① 米国10年債利回りの上昇(1.3%越え)
② 米国追加経済政策への期待
③ 米国1月小売売上高の好結果
これらによりドル高をもたらしています。
また日本円について、
① 日本GDP第4四半期の速報値が予想を上回る(予想2.4% →結果3.0%)
② 日経平均3万円へ更新
③ 新型コロナワクチンの国内到着の安堵感
これらを受けてリスク選好の傾向となり、株高・円安となりました。
しかしその後106円に差しかかると、利益確定が優勢になり、調整の売りとなりました。
17日にはFOMC議事録が発表され、「実質的な進展には時間がかかる」など従来の方針から変更がなく、市場も慎重姿勢をみせる結果となっています。
105.50円まで戻したところで1週間を終えています。
ユーロ/ドル
今週はユーロ圏に大きなトピックスは見られませんでした。
前半は米国10年債利回りの上昇、米国追加経済政策への期待によるドル高を受けて下落しました。
ユーロ圏では先週イタリアでドラギ新首相が誕生しましたが、イタリア経済に対して悲観的な見方を示したことや、新型コロナウイルスのワクチン接種が英国に後れをとっていることなどが影響し、下落を誘っていました。
後半は米国で調整売りが入ったことで下落の流れは一服し、独、ユーロ圏の製造業PMIが強めに出たことで持ち直す結果となっています。
ユーロ/円
ユーロ/円は日本GDP第4四半期の速報値の上昇や日経平均3万円へ更新を受けて円安トレンドとなりました。約2年ぶりとなる128円台となる高値更新であったため、2/17日からは利益確定売りが起きました。
これにはドル/円と動きが同調し、FOMC議事録による慎重姿勢も確認されると、円買いトレンドとなっています。
しかし、2/18になると再び上昇します。ドル安圧力が影響してか、ユーロの上昇を引き起こしました。さらに独、ユーロ圏の製造業PMIが好結果だったことから上昇のまま1週間を終える形になっています。
まとめ
ここまでの長期メイントレンドはドル高です。バイデン大統領の1.9兆ドル規模の大型追加経済対策とワクチンへの期待が原動力になっています。
しかし、ドル高はこのままつづくとの見方は薄い状況です。
FRBは最大雇用の創出のために金融緩和の長期化を見据えているからです。労働市場のほうに軸足を置いて政策運営を行おうとしているならば、これ以上の金利上昇は難しいと捉えるのが自然です。
さらに米国に対してユーロ圏ではコロナショックからの回復が遅れています。市場はドルよりもユーロに基軸を移行することも考えられ、調整による慎重姿勢が現在見られると考えられます。