今週の為替相場考察(03.06)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.3.1 ~ 2021.3.5)
目次
ドル/円
今週は米国長期金利上昇によるドル高が1週間を通じて継続しました。
要因は
①新型コロナウイルス感染者数の収束
②米経済指標の良好な結果による経済回復およびインフレ期待
これらが影響していると思われます。
3/2~3/3にかけて米国債利回りの上げが一服していたことや107円を節目に迎えたことで、一度調整の売りが入ります。
しかし、3日以降も米債利回りが引き続き上昇を見せたことで、米株式市場ではITハイテク株主導で戻り売りが誘発されました。結果としてドル高が継続しています。
そして3/4~3/5にかけてNY時間に行われたFRBパウエル議長講演の中で、「市場が秩序のない状況になれば問題視する。」との発言がありました。
現状FRBが介入する可能性はあるものの、まだそのしきい値を満たしていないことを感じさせたことで、株式市場で失望の売りが起こり市場全体で下落し、ドル高となりました。
また、3/5には日銀の黒田総裁が「長期金利の変動幅、拡大必要とは考えていない」と発言したことが円売りを誘った面もあり、今週はドル/円の上昇が継続しました。
ユーロ/ドル
ユーロ/ドルもドル高の流れを受けて大きく下落しています。
ドル高の流れは上記のドル/円のとおりですが、ユーロ圏では3/2~3/3にかけてECB関係者から「債券利回りの抑制に大規模な行動の必要性はない」と発言されたとの報道があり、一時ドル高の調整を支えるユーロ/ドルの上昇がありました。
しかしながらユーロ圏での経済指標が引き続き冴えない結果であること、デギンドスECB副総裁発言による金融緩和の継続予感で、ユーロ売りを誘発し、今週のユーロ/ドルは1週間を通じて下落トレンドになっています。
ユーロ/円
ユーロ/円はボラティリティが少ない局面になっています。
米国でのドル高がメイントレンドとなる中で、円売り、ユーロ売りがトレンドになっています。
そのような状況下において日本では一時日経平均3万円の高値更新があり、株高傾向にあります。ユーロ圏ではECBが経済対応策について意見がまとまっていない様子が垣間見えており、トレンドが弱い傾向があるなかで比較的円売りの方が強くなっており、ユーロ/円は緩やかに上昇しています。
しかし、3/3にデギンドスECB副総裁、3/5に黒田日銀総裁の発言から金融緩和の継続が予測されており、いずれの通貨ペアも同様の動きを見せていくと思われ、ボラティリティの少ない状況が考えられます。
まとめ
今週はなんといっても先週よりも強いドル高トレンドが見られました。
世界的にみても米国の経済成長が独走しており、市場も米国長期金利上昇に乗っかっている状況です。それによって株式市場ではITハイテク株を主体としたリスクを伴う株式の売りが始まっており、調整局面にきていると思われます。
また、バイデン政権も追加経済対策を予定しており、ドル上昇をもたらす材料が多くなっています。短期、中期的には強いドル高トレンドになっていると考えられます。