今週の為替相場考察(02.28)

毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。

FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。

僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。

 

PICK UP WEEK(2021.2.22 ~ 2021.2.26)

 

 

目次

 

 

 

 

ドル/円

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ドル/円は米国の長期金利によってドルのフローが操作されました。

市場ではインフレの期待が高まっており、ドル高の意向が強くなっています。

 

それに対して、週初めはドル高警戒によって一時下落しています。これは長期金利が急上昇することで株式市場が不安定化するとの見方が資産リスクを高めてしまうと市場に再度知らしめたことによるものでした。

 

しかしその後下げ止まると、今度は長期金利の上昇によって再びドル高へ移行しました。これにはインフレ期待も当然ながら、株式にリスクを伴うと再認識されたことで、リスク警戒の株売り・ドル買いも伴ったと思われます。

 

これに対してFRBのパウエル議長は「見通し改善に伴う資産価格の上昇は健全な兆候」「政策変更の検討ステージに上がるまでにはしばらく時間がかかる」「インフレ目標達成には3年以上かかる可能性がある」等のメッセージを述べ、市場のインフレ上昇およびテーパリングを抑制したものの、それに勝る結果となり、1週間を通じてドル/円は上昇することになりました。

 

 

ユーロ/ドル

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今週は方向感が曖昧な週になりました。

今は米国の長期金利上昇によるドル高が一番影響していると思われます。

それに対して米国に比べてコロナショックからの立ち直りに後れをとっている欧州圏の回復が経済指標にどう表れているのかが焦点になっています。

 

まず週当初にドル高警戒によって一時ドル売りになると、2/22にドイツIfo景況感指数が予想以上の回復となったことも受けて上昇しました。

ドイツのメルケル首相も4段階のロックダウン緩和措置を計画しているとして、ロックダウンを緩和していく流れも見受けられ、市場から好感を受けたユーロ買いとも考えられます。

 

しかし、米国の長期金利上昇によるスティープ化が根強いドル高を進行させて上げ止まります。その後は株式市場との相対関係から資産リスク警戒も高まり、リスク回避の動きが出始めました。米国株売りによりユーロ買いが誘発されて、2/25には再度上昇しました。

 

ただ、この流れを市場は読み取り、さらに株売りが加速し、リスク回避のドル買いが加速しました。そのまま週始値を下げる勢いの1.206まで下落し、1週間を終えています。

 

ユーロ/円

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ユーロ/円は大きく上昇しています。これは欧州の経済回復を織り込んでユーロ買いが行われたことによるものと考えられます。

2/22にはドイツIfo景況感指数が予想以上の回復となったこと、ドイツのロックダウン緩和が予測されたことが市場に欧州の回復期待を高めました。

 

そして米国で長期金利が急上昇したことで、株式の資産リスクを警戒され、株売り・ドル買いのフローに推移していっています。対するユーロもこの傾向を受けて、ユーロ買いが進んだ結果になっています。

 

また日本では日経平均が3万円を突破し、株式市場の活性化が期待されている側面があります。これを受けて株高・円売りが日本のトレンドであり、上記を受けてユーロ/円の上昇に繋がっています。

 

しかし130円に到達すると、月末のリバランスも重なり、調整売りで反発したところで1週間を終えています。

 

 

 

まとめ

今週は米国で長期金利上昇が急速に高まり、リスク警戒の雰囲気さえも漂わせるムードになってきています。

FRBはインフレも3年程度かかると見込んでおり、今の金利上昇は行き過ぎているようにも捉えられます。

欧州ではようやく新型コロナウイルスによるロックダウンから回復する兆しが見え始めたばかりであり、米国の回復見込みが早まっているところも想定されます。

そんなドル買い・ユーロ買いの局面で日本円は日経平均の3万円到達で株式市場が活性化している状況です。ドル/円、ユーロ/円にしてもボラティリティの上昇は考えられますので、この通貨ペアには注目したいところです。