今週の為替相場考察(03.29)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.3.22 ~ 2021.3.26)
目次
ドル/円
今週はドル高が進む週になりました。
ただし週当初は落ち着いた値動きになっています。
まずトルコリラが急落したことが引き金になり円高傾向となっています。
エルドリアン大統領が中銀のアーバル総裁をわずか4か月で解任したことが要因です。
東京時間には落ち着きましたが、市場は様子見の雰囲気が漂いました。
翌23日までは材料待ちで値動きは限定的となっています。
そして徐々にリスク警戒のムードが高まり、円高・ドル高そして株安となって行きました。
以前より続くドル高に市場は従順で米国10年債利回りの上昇により上昇トレンドを築いて行きました。
さらに24日には最大3兆ドルに財政出動を拡大する可能性があるとの報道がでており、トレンドを押し上げています。バイデン大統領は25日にもワクチン接種を加速させることを表明し、市場は好感を持って受け止めました。
週末に向かって調整は入るも、高い位置をキープして終える形になっています。
ユーロ/ドル
ユーロ/ドルは下落相場になっています。
米国のアフターコロナが進展していくこととは対照的にEUでは新型コロナウイルスによるロックダウンから立て直しできていません。
週当初はトルコリラ急落やドル高の調整も影響した上昇が見られましたが、23日までに留まりました。
EUと英国でワクチン供給をめぐる摩擦が起きており、ユーロは上値を狙えない状況にあるなかで、財政出動や米国10年債利回りの上昇を期待するドル高が優勢となっています。
23日NY時間以降は下落トレンドを続ける結果となっています。
要因として、24日にドイツで独IFoが見通しを下げたことやメルケル首相が感謝祭前後5日間のロックダウン撤回を報じるなど混とんとした状況がユーロ下落を引き起こしたと読み取れる。
景気見通しがつかないEUと米国の差が感じられた。
ユーロ/円
ユーロ/円は振幅のある相場となった。
週当初は前述のとおりリスク警戒のムードが流れ、ユーロ/ドル上昇につられたユーロ買いが入り、129.90円まで上昇しました。
しかし23日以降、米国株安と米国10年債利回りの上昇によりドル高・円高を引き起こしました。
対するユーロはEUのコロナウイルスからの立て直しに時間がかかっており、景気回復に見通しが立たない状況が市場にも影響し、ユーロ安となっていました。
128.50円まで下落すると調整買い需要を伴い、一服する結果となっています。
まとめ
今週は米国とEUの経済状況対比が明るみになりました。
米国はワクチン接種の浸透、バイデン大統領による財政出動、10年債利回りの上昇により強力なドル高を巻き起こしています。
対してEUでは英国との関係に摩擦が生じており、新型コロナウイルス対策にも影響が出ています。なおもワクチン接種が進まない状況であり、景気回復がいつになるのか不透明性が感じられます。
年明けからのユーロ/ドルの下落傾向にも表れており、長期的にもこのトレンドが続くと思われます。