今週の為替相場考察(01.31)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.1.25 ~ 2021.1.29)
目次
ドル/円
今週はドル買いが行われた週になりました。
注目されたポイントは、1/27のFOMCと米ゲームストップ株の急騰・急落でした。
今回のFOMCでは、
①バイデン政権による大規模な財政支出を想定したドル高
②新型コロナウイルス拡大による経済悪化から、建て直しを込めたリスク選好の株高・ドル安のトレンド
このどちらへFRBは誘導していくのかが焦点になっていました。
週の前半はFOMCを控えて、値動きは限定的でした。
1/27NY時間になるとリスク回避のドル買いが先行しました。FOMCの結果も大方の予想通りで、政策据え置きで慎重姿勢を保っています。
ただ、今週はダウ平均を始めとする米国株が急落し、投資家のリスク回避がさらに高まりました。
原因は米ゲームストップ株の急騰・急落です。アマチュア投資家が集団で結束し、大手ヘッジファンドを出し抜いて、株価を釣り上げた現象が起きました。資産ベースでは個人投資家がヘッジファンドには到底及ばないため、一時投資家が多くの株を買ったとしても株価の異常な値上がりは起きませんが、今回の個人投資家の集団はあまりに大きく、価値の薄いゲームストップの株価を釣り上げてしまったのです。
これに市場は反応し、リスク回避のキャッシュ化へ動きました。
この中、日本では日経平均が大きく下落していました。リスク回避では円も買われますが、日本が超低金利政策中のため、ドルとの金利差を嫌った円売りが大きくなったと考えられます。
ユーロ/ドル
ユーロ/ドルはドル高により下落基調です。しかし、ユーロが121円付近でサポートが底堅く、大きな値動きは見られません。
1/27のFOMCを控える中、週初めは財政支出を期待してドル買いになりますが、27までには調整で戻りました。
そしてFOMCの結果が出ると、前述のとおりドル買いが先行しました。
しかし節目の1.210でサポートされると揉みあいになっています。
また1月ユーロ圏景況感が想定よりも上回っていたことが、ユーロ売りをとどめる要因にもなっています。
ユーロ/円
ユーロ/円はレジスタンスを抜けて大きく上昇するトレンドになっています。
これは米国経済と複合的に起こったことで、1/27のFOMCを待ってドル買いが先行すると、米国の長期金利上昇に伴い、日本との金利差を嫌って円売りが加速しました。
米国ではリスク回避にダウ平均など株価が下落し、ドル買いや国債買いの傾向になっています。おのずと金利は上昇し、安定通貨と呼ばれる日本円でさえ低金利を逃れるために円売りの流れが起きました。
対してユーロでは、ECBが再三に渡ってユーロ高をけん制し、上値を抑えていますが、1月ユーロ圏景況感が想定よりも上回っていたことやフランス、ドイツ、スペインなどの第4四半期GDPが予想ほど悪化せず、ドイツでは雇用統計も良好な結果だったこともあり、値動きは停滞しています。
今週はユーロの停滞、円売りの加速によって上昇したものと考えられます。
まとめ
結果として焦点はFOMCになりました。
バイデン政権による大規模な財政支出を想定したドル高が根強く、長期金利上昇が国債買いや株価下落を誘っています。
コロナショックから堅調に推移していた米国株がストップ高にきていることを予感させ、調整の局面を作っています。
安定資産の日本円もついに売られ出し、円安トレンドを頭に入れるべきでしょう。