今週の為替相場考察(09.25)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.9.20 ~ 2021.9.24)
目次
ドル/円
今週は経済リスクがクローズアップされる1週間になりました。
中国の不動産大手の中国恒大集団が経営危機に陥り、社債支払いが遅れているとのニュースが発表されました。大手企業の破綻は銀行やその他大手企業への影響も計り知れません。これにより市場はリーマンショック並みの問題を予感し、一気にリスク時の通貨の円買いに走りました。
9/22にかけてドル/円は109.20円まで下落しています。9/22にはFOMCが開催され、注目が集まっており、この時点で下げ止まっています。さらに中国恒大はきょう、23日に予定している社債の利払いを履行すると発表したことで市場に安堵感が広がりました。
かたやFOMCではパウエル議長会見を受けて、ドル買いが強まりました。議長は資産購入ペース縮小の終了は2022年半ばが適切との見解を示し、11月会合で行動する可能性も示唆しました。これらにより米長期金利の急上昇を受けてドル買い、円売りが加速し、週末にかけて上昇に転じました。
ユーロ/ドル
週当初は中国恒大のニュースにより神経質な相場になりました。
しかし9/22のFOMCを控えてか、リスク回避のドル買いも小幅にとどまり、様子見の強い値動きになりました。
その後、FOMCにおいてパウエル議長会見の11月会合で行動する可能性を示唆したことで一時ドル買いとなりました。これには中国恒大の社債の利払いを履行する報道にも影響を受けていると思われます。
しかしユーロ/ドルは1.170のサポートが厚い展開です。テーパリング開始も市場の見方と変わらないスケジュールのため、現在目立った材料が集まりません。
対してユーロもECBによる金融緩和の長期化姿勢など買いの材料に乏しい状況です。
現時点では様子見相場となっています。
ユーロ/円
こちらも中国恒大のニュースが大きく影響しました。
経営破綻が銀行その他、大手企業にも不利益を被ることからリスク回避の円買いが進行しました。9/22にかけて下落しています。
9/22NY時間になると中国恒大が社債の利払いを履行すると発表し、円買いも収束しています。決済の円売りが行われています。
しかしこれだけではなく、FOMCにより市場は想定済みではあったものの、パウエル議長によりテーパリングを11月会合で行動する可能性を発言したことで、リスクが薄まり、円売りがさらに加速したと思われます。対照的にユーロは買い要素が見当たらない現状からも下落相場が想定されます。
まとめ
今週は中国恒大の経営危機が市場に影響をもたらしました。
一番反応したのは日本円でした。ここではリスク回避の通貨の特性が顕著に表れています。
ただ、今週の時点ではドル、ユーロに買いの要素がなかったことも要因に挙げられます。
ドルはテーパリング開始の水際にあり、FOMCの進退に敏感でした。
ユーロはECBが金融緩和長期化を推進し、またドイツで9/26に予定されている独連邦議会選挙により政治不透明感も漂い、値動きが少ない状況にありました。
こういった背景からも今週は円が反応しやすい状況にあったことが読み取れます。