今週の為替相場考察(07.31)
毎週末一週間を振り返り、為替相場を考察しています。
FXの世界では事実に基づく考察が成長の近道になると考えています。
僕自身の今後のトレード戦略を立てる基となり、記録をつけるブログですが、読んでくださる方のトレードの手助けになるよう書いていきます。
PICK UP WEEK(2021.7.26 ~ 2021.7.30)
目次
ドル/円
今週はドル売りが目立つ相場になりました。
発端は香港・中国株の急落です。教育・不動産への規制を強化するとの政府の文書が市場に出回ったからです。これに引き続き米国株、原油が低下してリスク回避の円買いが見られるようになりました。すると米債利回りも低下し、ドル売り相場に入って行きました。
この動きは28日未明まで継続します。
米中摩擦と7/28NY時間に控えたFOMCを控えるリスク回避の側面が影響していました。
しかし7/28にはFOMCを控えた調整で一度上昇します。
大方の予想通りに政策は据え置きであること、パウエル議長の会見は慎重な印象を示したことからドル売りが継続しました。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、結局109.72近辺での越週となっています。
ユーロ/ドル
こちらもドル売りがレートに影響しています。
前述のとおり香港・中国株の急落を引き金にリスク回避のムードが漂うと米中摩擦が影響してか米10年債利回りの低下に伴うドル売りが進行しました。
7/28のFOMCを控えたポジション調整により7/28には一度ドル買いになりましたが、ハト派的なFOMCの結果に伴い、再度ドル売りとなりユーロ/ドルの1週間を通じた上昇となりました。
また、ユーロ圏7月経済信頼感指数、ドイツ7月消費者物価指数の好結果によってユーロ買いを後押ししていたことが読み取れます。
ユーロ/円
ユーロ/円は値動きが読みづらい相場でした。
上記2つの通貨ペアのとおり、ドル売りが先行してレートを支配していました。
ユーロ/円はドルに相対する通貨なので、どちらも買われる動きになっています。
一つのポイントは7/27のロンドン時間です。
欧州株が新型コロナウイルスデルタ株の拡大を受けて売られる結果になったことでリスク回避の円買いが強くなりました。その後は寄り付きながらFOMCを待つ展開となっています。FOMCをハト派的な見解で通過すると、米国株や欧州株は底堅く為替市場にリスク選好を感じさせる印象をつけさせました。
これによりユーロの上昇を後押しし、ユーロ/円の上昇に繋がっています。
またユーロ圏7月経済信頼感指数、ドイツ7月消費者物価指数の好結果に見られる欧州の経済成長感も感じさせています。
まとめ
今週はドル売りの相場でした。
当初は中国での教育・不動産への規制強化が発端で米中摩擦を嫌気したドル売りが要因でしたが、FOMCをハト派的な意見でまとまり通過すると、米国株、欧州株の堅調推移や米10年債利回りの低下をみてリスク選好のドル売りに変わっていることが考えられます。
新型コロナウイルスデルタ株の急拡大も懸念材料ではあるでしょう。再三のパンデミックで経済成長がすぐには見込めないことを市場も理解しており、株高・ドル売り相場が継続するとの見方が現在あるように思われます。
今後もドル売りが主流であることは念頭に置きたいところです。