今週の相場感と今後のシナリオ(09.13)
引き続き今週の相場感について考察していきます。
相場は今後どう動くのかは誰にも当てることはできません。しかしながら、定期的に現状を過去検証して値動きのアルゴリズムを知ることで、予測する確率を高めることはできます。
僕なりのテクニカル、ファンダメンタルズの側面から考察し、値動きを捉える参考になればと思い、記事を書いていきます。
目次
ドル/円
9/7-9/13
今週は106円のキリ番を挟んで方向感に欠ける値動きが続きました。
米株式市場でナスダック総合が9/3で10%以上の下落を見せたことを受け、105.80円まで下落するも下落はそこまでで、一週間を通して方向感を判断しづらく揉みあいになったと言えます。
現状はリスクオフの局面と捉えられ、リスク回避時にはドルも円も同じ動きになり、これが要因になったと思われます。
7日は米国およびカナダが休場(レイバーデー)により、様子見ムード。
8日ニューヨーク時間にナスダックが再度下落。
9日リスク回避の円買いが進行。
10日ナスダックの反発によりドル買い。
11日FOMCを来週に控えて動きは限定的。
来週は総裁選で予想通り菅官房長官が選出された場合、一時株高・円安になる可能性と15~16日にかけてあるFOMCによってインフレ率の2%超えのフォワードガイダンスがさらに強調されれば、ドル売りになる可能性を秘めています。
これらを注目していくことが良さそうです。
ユーロ/ドル
9/7-9/13
今週はブレグジットの交渉がユーロを動かしました。
先週末にジョンソン英首相が、10/15を交渉のデッドラインとすると発言しました。これを受けて、英国とEUは通商協議を続けているものの、協議がまとまらないリスクが懸念されてポンド売りが始まりました。9/8にはポンドが大幅安となり、つられてユーロも下落しました。
そうした中、9/10のECB理事会で経済成長見通しが引き上げられ、年内の緩和期待が後退するとの思惑が流れると、ユーロ買い・ドル売りとなりました。ECB理事会後の記者会見でラガルドECB総裁による「為替レートを目標にしているわけではない」との発言からユーロ買いを誘発。1.192まで高値を伸ばしました。
しかし、英国とEUとのブレグジット交渉で対立が強まる展開となりポンドにつられてリスク回避にユーロ売りが見え隠れしている流れです。
ユーロ/円
9/7-9/13
今週はブレグジット交渉のまとまらないリスクと米国ナスダックの下落、FRBのフォワードガイダンスにより、リスク警戒の円買いが相場していると考えられます。
先週末にジョンソン英首相が、10/15を交渉のデッドラインとすると発言したことからポンドにつられたユーロ売りから始まります。9/9まで下落を続け、124.50円の節目で底値を作っています。これにはナスダックの下落からリスク回避に円買いが引き起こされたことも下落要因に捉えられます。9/9には一転ナスダックが反発するとドル買いが起きました。ここではリスク回避で円ポジションが多かったことから円売り・ドル買いの流れになりました。
そうした中で9/10のECB理事会で経済成長見通しが引き上げられ、年内の緩和期待が後退するとの思惑が流れると、ユーロ買い・ドル売りとなりました。
そしてECB理事会後の記者会見でラガルドECB総裁による「為替レートを目標にしているわけではない」との発言からユーロ買いを誘発。126.50まで高値を伸ばしました。
ただ、英国とEUとのブレグジット交渉で対立が強まっています。警戒ムードにあることは注意したいところです。
結論
注目ポイントは①英国とEUとのブレグジット交渉、②ナスダックの下落、③FRBのインフレ率2%越えフォワードガイダンスでしょう。来週の注目は15-16日にFOMCが開催され明確なフォワードガイダンスが提示されれば、金融緩和の長期化を想定したドル売りが強まるでしょう。また、14日には総裁選で新総理大臣が決まります。予想通り菅官房長官が選出された場合、一時株高・円売りが起きそうです。
これらを見ながら現在の為替相場はリスク回避ムードが多きように感じられます。ファンダメンタルズでレートが上下しやすくなっているので、安易なトレードは控えた方が賢明だと思います。