今週の相場感と今後のシナリオ(08.30)
引き続き今週の相場感について考察していきます。
相場は今後どう動くのかは誰にも当てることはできません。しかしながら、定期的に現状を過去検証して値動きのアルゴリズムを知ることで、予測する確率を高めることはできます。
僕なりのテクニカル、ファンダメンタルズの側面から考察し、値動きを捉える参考になればと思い、記事を書いていきます。
目次
ドル/円
8/24-8/28
今週は値動きの激しい一週間になりました。
大きく分けると①月末リバランス、②ジャクソンホールの開催、③安倍首相の辞任表明が主なトピックスです。
為替レートが動きだしたのは8/25からです。
月末を意識してか、8月のリバランスが開始されます。8月ではドル安、円高の傾向がありました。これに調整を求める動きが出始め、ドル高、円安で上昇しました。
しかし、これも106.50円というキリ番で止まります。リバランスの動きではありますが、8月はそれほど偏った方向観はなかったことや、27日に控えているジャクソンホールに向けて慎重な動きになったと考えられます。
そして27日ジャクソンホールでのFRBパウエル議長の講演に注目が集まりました。
金融政策について平均の物価上昇率2%を目標とし、景気は低迷している際には、たとえ2%を超えてもしばらく容認する考えを述べました。これにより一時ドル売りが生じ、105.60円近辺まで急速に下落したしたが、売りが落ち着くと、長期的なインフレ化の期待から米国債利回りが上昇しました。これを受けて、徐々に買い戻しの動きが高まり、107円付近まで上昇しました。
それから一転28日には下落していきました。まず107円のキリ番の上値が重く、上昇にストップをかけたことが考えられます。しかしそれだけでなく、東京時間の14時頃に安倍首相が辞任の意向を固めたとの報道が出たことで、急速に下落に転じました。
これは、アベノミクスが超金融緩和政策を印象付けていたことが考えられます。
これが崩れることを連想させ株安、円高へレートが動きました。
そして米国債利回りが一転して下落を始めたこともあり、ドル売りの流れも想定されます。今後はドル/円下落をメイントレンドに考えていくべきだと考えます。
ユーロ/ドル
8/24-8/28
今週はジャクソンホールの影響、およびが大きく出ており、対照的にそれ以外の動きはほとんど感じられませんでした。
一時FRBのパウエル議長の物価上昇率2%超えの容認からドル売りにより上昇しましたが、すぐに米国債利回りの上昇からドル高へ乱高下しました。
その後は目立つ値動きはなかったものの、28日に安倍首相の辞任報道を受けて対円でのドル売り、対ドルを意識したドイツ国債利回りの上昇に影響し、上昇して今週を終えています。
ユーロ/円
8/24-8/28
先週末にかけた下落の反発から26日にかけて上昇しています。
欧州株と米国先物が続伸しており、リスク先行ムードから円売りの動きになっていました。
その後は反発売りに押されて一旦下落し、27日のジャクソンホールを迎えます。
直接的な影響はないものの、アメリカの長期的なインフレ化の期待から米国債利回りが上昇し、対ドルの円売りが顕著になり上昇しました。一時126.70円まで上昇しますが、28日の安倍首相の辞任報道により円高となり下落したところとなっています。
結論
今週はジャクソンホールの開催と安倍首相の辞任報道が大きな鍵を握っていました。ジャクソンホールは世界各国の中央銀行総裁が集まる会合として世界の投資家が注目しています。特にFRB議長の講演からは為替レートを動かすニュースが出ることもあり、今回も例に沿って値動きに影響しました。
ただしそれ以上に安倍首相の辞任が後発で発表されたことが今後の影響に大きく関わると考えています。アベノミクスは超金融政策を進めた政策です。これが崩れる可能性は日本経済が今後どうなるか不透明であるというリスクになります。方向性が定まるまでは株安、円高がメイントレンドになるでしょう。
対してドル/円、ユーロ/円の下落、および長期的なインフレに期待のドル高に加えたユーロ/ドルの下落が来週の傾向であると捉えます。