今週の相場感と今後のシナリオ(08.15)

今回は先行きの読めない現状の相場について僕なりに考察しました。

週の振り返りをして、世界経済の全体像を俯瞰することがFXの相場観を捉えることと同意義であると思いますし、聞きなれないマクロ経済を知る足掛けになると考えます。

 

値動きを捉える参考になればと思い、考察していきます。

 

目次

 

 

 

ドル/円

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8/10-8/14

前週末の米国雇用統計の結果を受けてから、米国の雇用改善を期待してドル高に傾き、今週14日まで続伸しました。この背景には数週間続いたドル安が長期的だったことの反発によるものだろうと考えます。さらにはロシアによる「新型コロナウイルス・ワクチン」への認可報道、米7月生産者物価指数(結果0.6%、予想0.3%)及び米7月消費者物価指数(結果1.0%、予想0.7%)の伸び率加速はリスクオンのムードを作り出します。結果、米長期金利が上昇してドル高の流れになりました。

最終的には8/15に予定されていた米中の通商合意を巡る会合が延期されたことや、米小売売上高(結果1.2%、予想1.9%)の冴えない結果が影響して、106.50円まで下落して週末を迎えました。

テクニカル的にも見ていきます。

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日足のチャートです。

紫のトレンドラインとキリ番107.00円、そしてweeklyピボットR1が上値を抑えている状況です。週末に反落したこともあり、このラインを上抜けることは考えづらいです。現在4時間足ではダブルトップを形成しており、来週頭はもみ合いになり、大きなファンダメンタルズが発表されない限りは下落する方向性で捉える方が良さそうです。

 

 

 

 

 

 

ユーロ/ドル

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8/10-8/14

前週に引き続き揉みあいの相場になっています。

1.170のサポートラインと1.190のレジスタンスラインの中で推移しています。

前述のドル高ムードにより8/12には1.170を試す流れに向きましたが、底堅くサポートラインとして上昇し揉み合いになっています。

テクニカル的には日足のチャートみていただきたいです。

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超長期で形成している三角持ち合いの上限の位置に現在張り付いているところです。そしてその直前には下降トレンドを上にブレイクして、大きな上昇を見せてここに到達してきています。2020年は新型コロナウイルスの影響でファンダメンタルズが相場に大きなトレンドをもたらしてきました。しかしながら、この2週間は目立ったニュースは入ってきません。この三角持ち合いはテクニカル的に非常に強く効いていると考えられるので、ビッグニュースを伴わないと上にブレイクすることは難しいと思います。

1.170のサポートラインと1.190のレジスタンスラインもいつかはブレイクするものでうから現時点でブレイクする方向は下目線でしょう。

だとすればエントリータイミングとしては1.170のサポートラインを超えたところだと考えています。ただ、下抜けても一度戻り買いすることも想定できるので、この点は注意したいです。

 

 

 

ユーロ/円

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8/10-8/14

124.50円の高値を更新し、続伸する週になりました。

125.50円がレジスタンスラインとなっていたところを抜けてサポートラインに転換しています。同じ値幅で一度押し目を作る流れもよくあるパターンです。前週で揉みあった値幅でボックスを作ると綺麗に126.75円で高値打ち止まりしていました。

WeeklyピボットのR1をサポートに使って8/14から再度上昇する流れを見せています。

ファンダメンタルズ的にも米国のリスクオンムードが見え始め、円売りになってきています。来週はこのボックス幅での利幅獲得を狙っていきたいところです。

 

 

 

 

 

結論

前週末の米国雇用統計の結果から、リスクオンムードになりつつあります。

通常ドルはリスクオフで買われる通貨なので、リスクオンではドル安になりがちですが、今回は米国の経済不透明感によって、ユーロや円が買われていました。結果今の状況ではリスクオンでドルが買われる流れになっています。これからリスクオンが続けば、投資家は株を買うわけですが、世界の重要株は米国にあります。株を買うためにはドルに通貨交換していなければなりませんので、自然とドル高が継続してくことになるでしょう。

しかし、安易にリスクオンだと判断してはいけません。新型コロナウイルスの影響は深刻で、どちらに転ぶかは現時点で不透明であるとしか言えません。

ときおり発表される経済指標やニューストピックスに目を凝らして判断していきましょう。