今週の相場感と今後のシナリオ(06.20)

今回は先行きの読めない現状の相場について僕なりに考察しました。

週の振り返りをして、世界経済の全体像を俯瞰することがFXの相場観を捉えることと同意義であると思いますし、聞きなれないマクロ経済を知る足掛けになると考えます。

 

値動きを捉える参考になればと思い、考察していきます。

 

目次

 

 

 

ドル/円

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6/15-6/19

今週は値動きが低かったと言えます。

とは言え、ファンダメンタルズ的には①6/16の米国小売売上高発表、②6/16-6/17の2日間に渡るFRBパウエル議長の議会証言、③6/19パウエル議長の発言と影響力のある事象は提示されています。

 

6/16の米国小売売上高(5月)は予想を上回る好結果でした。予想+8.4%であったのに対して、+17.7%が支援材料となり一時107.64円まで上昇しました。しかし全米50州のうち22州で感染者が増加したとの報道もあり、新型コロナ第2波の警戒感が高まり、レンジ相場となりました。また、FRBパウエル議長の発言においても社債の買い入れを始めることや中小企業への融資拡大支援策を発表するなどしながらも、「米景気回復の時期や強さには著しい不透明感がある」と上下どちらとも取れない相場が見て取れました。

 

テクニカル的に考えれば、6/18にレジスタンス、サポートラインの移動が行われ、現在107.15-106.70で値動きを見せています。ピボットサポートラインが週足、日足ともに106.70付近に重なっており、これを下抜けるかが下落のポイントになりそうです。

上昇面では、間近高値の109.80から安値の107.60で引いたフィボナッチ23.6%ラインが一つの目処と捉え、それを抜けると200日平均線が待つ流れとなりそうです。

 

今後の動きは一概にどちらと言えないのが本音です。大きなファンダメンタルズがない限り値動きは難しいと考えています。

 

 

 

ユーロ/円

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6/15-6/19

ユーロ/円に関しては①6/16の米国小売売上高発表、②6/16-6/17の2日間に渡るFRBパウエル議長の議会証言など米国のニュースが先行した影響から同調して6/18には一時上昇したと捉えます。しかし、EU復興基金の物別れおよび現況の読めない相場感からリスク回避傾向が強まり、下落傾向になっています。

 

一方テクニカル的にみれば転換の可能性ポイントに差し掛かっています。週足レベルの下降チャネル上限にタッチしてきています。6/2に上抜けてから一度目の反発ポイントになります。また追い風のように6/19復興基金についてEU首脳会議で「合意を目標に来月に対面式の会合を持つことで一致した」と報道されました。足並みがそろっていない現状から一転、経済成長が脅かされ市場の混乱をもたらす恐れがあると警戒が高まってきており、今後の進展が急ピッチになることが予想されます。

 

 

ユーロ/ドル

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6/15-6/19

ユーロ/円に近い動きになっています。米国のニュースが先行した影響から同調して6/18には一時上昇し、EU復興基金の物別れおよび現況の読めない相場感からリスク回避傾向が強まり、下落傾向になっています。

 

テクニカル的にみてもユーロ/円に近い動きとなり、転換の可能性ポイントに差し掛かっています。週足レベルの下降チャネル上限に近づいています。しかしタッチまで余力はあり、現在トリプルトップ(三尊)からの下落傾向とも見て取れます。下降チャネル上限までは下落が進む可能性があります。

 

下降チャネル上限までの下落をますは視野に入れて、EU復興基金のニュースやアメリ新型コロナウイルス第2波感染リスクによるドル安を考慮していきたいところです。

 

 

 

 

 

 

結論

どの通貨ペアも先行きが読めない状況が平行しています。

ドルと円はリスク警戒で同じ動きをみせていますので、この通貨ペアドル/円は値動きが少ないだろうと考えます。

一方ユーロは復興基金の方向性に可能性を秘めていますので、大筋な合意と政策が報道されればボラティリティの変動が考えられます。

また、新型コロナ第2波感染の恐れが見えてきており、リスクオフの動きもポイントになります。

以上を総括すると、大きなファンダメンタルズが出ない限り、テクニカル的な視点で相場を見ていく他ないと考えています。みなさんの考察の参考になれば幸いです。